酪農リストラクチャーサポート

予測収入

1.予測乳量、予測乳価

予測乳量、予測乳価は、その牧場の現在までのデータを、他のいろいろなデータと結びつけ、多面的に分析を行います。一般的に、乳量を左右する要因は、搾乳頭数、搾乳日数、脂肪率、最低気温などです。このモデル式を用いて、10ヶ月先までの乳量を予測し、予測乳価との積にて予測乳代を算出します。

Fat3.7%,SNF8.7%の場合
年月日 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
予測乳価(円) 95.5 84.6 83.2 80.5 80.5 80.5 83.3 84.7 96.5 105.1
予測乳量(kg)/日 1,897 2,081 2,164 2,448 2,445 2,651 2,683 2,564 2,452 2,305
搾乳頭数 62 63 64 70 71 78 83 83 84 84
搾乳日数 217 191 191 173 181 188 202 222 250 280
最低気温 14.5 8.7 3.6 1.5 2.4 5.5 10.7 15.7 20.2 24.1
季節別 103 95 94 92 92 92 94 95 103 110
予測乳代(千円)/日 181 176 180 197 197 213 223 217 237 242

2.乳量のシミュレーション

 こうして、10ヶ月前より乳量の不足、乳代の不足、赤字決算が、自動的に予測されます。不足してしまって対策を考えるのではなく、10ヶ月前より不足、赤字決算が予測された場合、導入計画、牛の入れ替えなどによる搾乳肥育、肥育の出荷計画を立て、予測乳量のシミュレーションを行い、それらに伴う資金調達を立てることです。

乳量のシミュレーショングラフ

この場合、注意しなければならないことは、一番効率よく、つまり一番儲かるように、“何月分娩の牛を、何月ごろに、何頭導入したらよいのか。”と言うことを同時に考えることです。
乳代を最大にするということは、乳量×乳価を最大にすることです。乳量を最大に、乳価を最大にすればいいのですが、実際にデータを集めてみると、乳量と乳価は反比例します。具体的には、脂肪率0.1%の上昇で、乳価は1.24円高、乳量は何十キロ、何百キロの減少となり、乳価を高くすることが、乳代を上げることにならず、逆に脂肪率を下げて、乳価を低くすることが、乳代を上げることになります。下記のグラフのように脂肪率4.1%よりも3.7%の方が、はるかに乳代が大きくなります。他の要因いついても同じようなことが言えます。

乳価、乳量、乳代のグラフ

以上の事項を総合的に分析して、意思決定のミスマッチを防ぎ、投資計画のベストマッチを提案いたします。
予測乳量、予測乳価は、その牧場の投資計画を立てる場合にもっとも重要な情報となるでしょう。また、下記のような事にも活用している牧場が多数あります。

  1. 年度始めに、その年の乳量を決定する。
  2. 計画生産の進捗状況の確認
  3. 規模拡大時の返済計画
  4. 組合全体の計画生産
  5. 県全体の計画生産

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